パパママ応援団byベビーシッターがお送りする、「日本全国ベビーシッター図鑑」3人目は福岡県で訪問保育士、ベビーシッターとして活動しているあゆさんです。
あゆさん/福岡県在住/サポート対象年齢 0才0ヶ月〜15才/サポート対象地域 福岡県/料理代行も可/保育士資格所持/子育て経験有/幼保無償化・内閣府ベビーシッター補助割引券対象シッター
保育系高校卒業後、保育短大へ入学。短大卒業後に幼稚園へ就職し年中、年長クラス担任。自身の出産子育てを経験し認可保育園にて、早朝、延長保育担当。認可保育園フルタイム勤務も経験。2019年4月から「もっと子どもや家庭に寄りそった保育をしたい」と、ベビーシッターの道を選ぶ。2021年8月現在サポート回数は400回をこえる。インスタグラムで、ベビーシッターの仕事にかける思いや子育て家庭への思いを発信中。自身の心情や子育てに奮闘するママへのメッセージは、保育関係者やママたちから大きな共感をえている。ベビーシッター仲間と飲み会をするのが夢。
あゆさんのベビーシッタのお問い合わせはインスタグラムのDMへこちら(インスタグラムにとびます)
この記事はブッチーがインタビューしたのものを元に、すぎちゃんが編集、執筆しています。
プロローグ
あゆさんの人となりを知るには、まずインスタグラムの投稿を見てほしい。そこには、ひとつひとつのサポートというドラマがあり、そのドラマに登場するママ、パパ、子どもへの優しい眼差しが綴られています。
あゆさん自身の経験から語られる言葉は、日々の子育てに悩み迷っているママたちへのラブレターのようにも読みとれるでしょう。
そして、もうひとつあゆさんの人となりを知るために、音声SNSツールのクラブハウスに遊びに来てください。仲間内から評される「ウィスパーボイス」あゆさんの穏やかで、ささやくような声はいやし効果絶大。「この声で事前面談されたら、他の人には話せないような悩みも打ち明けてしまうのだろうな」と想像してしまいます。
子育てに悩むママの心を解いていく、あゆさんのベビーシッターという職業にかける思いを聞いていきます。
根っからの保育好き
ーベビーシッターになる前は何をしていたのでしょうか?
保育系高校を卒業後、保育短大へ入学。就職は幼稚園でした。幼稚園で年中、年長クラスの担任経験があります。出産後、自身の子育てをしながら、保育園に勤務しました。保育園では我が子の成長に合わせて、早朝、延長保育担当をしていました。幼稚園、保育園合わせて9年の現場経験があります。
ー高校も保育系に進学したのは珍しいですが、先生になろうと思ったきっかけはありますか。
私は母子家庭で育ちました。なので、母は1人で仕事して育て上げてくれたのです。そのため、お迎えが遅かったんです、結構最後の方でね。母を待つ間、ずっと一緒に待っててくれる先生がいてくれて、その先生が大好きだったんですよね。
だから、「その先生みたいになりたいな。いいな」と思っていました。その先生に憧れて、保育者にになろうと思いました。小学5年生の時です。その先生が私が保育者になろうと思ったきっかけですね。
ーその先生の存在は大きかったですか?
そうですね。その先生も私が保育者になる過程を見ててくれていて、保育園を卒園してからも、ずっと文通をしていました。短大の時に保育実習に行って辛かった時もその先生が励ましてくれて。「あゆみちゃんなら大丈夫よ」といってくれたんです。私にとって励みになるような言葉をかけてくれる、心の支えになる存在でした。
節目節目で手紙のやり取りをするような関係で、中学生の頃かな?その先生の結婚式にも呼ばれて行きました。成人式の時にはお手紙と一緒に金色のフォトフレームをくださって「あゆみちゃんの大事な写真を飾ってね」と言ってくれたのは今でも覚えています。
ー保育園を卒園しても、先生とのつながりがあるのはなかなかないですよね。
そうなんです。その先生が1年目の時に私がその先生のエプロンをひっぱって「私のスカートと同じ柄だね」と私が言った時に緊張の糸がほぐれたって聞いてます。その先生から見ても私は、特別な存在だったようですね。
子どもを嫌いになる前に保育を嫌いになる前に園勤務はやめよう
ー幼稚園、保育現場で9年経験があるのですが、現場経験がありながらなぜベビーシッターになろうと思ったのですか?
子どもが好きで、保育が好きで進んだ道でした。けれど、理想と現実の違いを感じるようになりました。自分が子育てしてから保育園で働いたので、お母さんの大変さがわかるんですよね。
周りの保育士が子どもが熱が出てお迎えが遅かったり、買い物をしてお迎えにきた母さんにキツくあたるシーンを目の当たりにしたんです。そんなシーンを見て苦しくなった。「なんでいけないの?」と思いました。
保育士は子どもが好きでなった人が多いと思う。けれど、やっぱりお父さんやお母さんに寄りそっていかなきゃいけない仕事だよなと思いました。だけど働いていた園では、保護者によりそうことが叶わなかった。
ー具体的に、保育や子どもを嫌いになりそうになったエピソードはありますか?
チームで保育している時に、クラスの子どもが熱を出してお迎えの電話をしなくてはいけない場面。私1人なら「お母さん大丈夫だから、寝て待ってるからそんなに急がなくてもいいよ」と言いたいところをまわりの保育士が「すぐに迎えにきてもらって」というんです。
心の中では「無理でしょう。今仕事してるのに」と思いながらも「お母さんすぐにお迎えに来てください」と意に反したことを言わなくちゃいけない時がありました。
また、ある時はお迎えの時間。あるお母さんに「先生ちょっとお話したいんですがいいですか?」と言われたんです。私はお母さんの話を聞いていたけれど、ちょうど掃除の時間だったんですね。
他の保育士から「ちょっと話聞いとらんで、早く終わらせてよ」みたいな目を向けられた時。お母さん自身は、勇気を出して相談事を話してくれたのに最後まで聞けなかった苦しさがあった。
子どもに対しても、1人づつ話を聞いてあげたいのに集団保育だから話を聞いてあげられず。子どもと話していても、呼ばれたら行かなくちゃいけない。
私が保育園にいた頃は好きな先生に「うん。うん」と最後まで話を聞いてくれてもらえるのが当たり前で、それができない自分がすごく心苦しかった。
子どもの話を聞いていると他の保育士に邪魔されたり「しゃべっとらんで、はよこっちして」と言われたりしました。子どもにも、保護者にもひとりひとり丁寧に関われないことがすごく嫌だったし、寂しかった。
ー園勤務でひとりひとりに向き合えないつらさや心苦しさから、ベビーシッターになろうと思ったのですね。どこでベビーシッターという仕事を知りましたか?
保育園が「辛いな。やめたいな」と思った時に他に働き方はないか検索してみたんです。保育園や幼稚園以外に、保育士の資格や経験を生かした仕事はないのか、子どもがいても働ける仕事はないのか探した時にベビーシッターという仕事を見つけました。
「もう保育の仕事はやりたくないと」という1歩手前で動き出したんです。もう心が苦しくて、限界でもあった。でも、小さい頃からやりたかった仕事だし、違う仕事につくのは嫌だと考えていた時に見つけられて本当によかったと思います。
「じゃあその間は、先生がママなんだね」
ー今までのサポートで印象に残っているサポートはありますか?
2人目妊娠中で出産間近のお母さんのエピソードになります。ある日、入院しなくちゃいけないお母さんが3才の娘さんに「お母さん、赤ちゃん産む時に入院にしなくちゃいけないんだけど、〇〇ちゃんとパパ2人でだいじょうぶ?あゆ先生も来てくれるんだけど」と話すと「じゃあその間は、先生がママになんだね」と娘さんが言っていたとお母さんから聞いたんです。その言葉にすごく感動しました。
後日娘さんに会った時に「もうすぐお母さん入院するね。さみしくなるね」と話すと「でもママが入院してる時は先生がママになるんでしょ」となんのためらいもなく言ってくれたのが嬉しくて、忘れられないエピソードです。
実際お母さんが入院している間、パパと娘さんと私で家庭をまわしていたんですけどお父さんも「自分とママとあゆさんで子育てしているのが普通になっている」といおっしゃっていただき「ありがたいな」と思いました。
ーベビーシッターって家族ではない、赤の他人がそこまで言われるほど、信頼関係を築かれているんですね。そこまでの関係性を築くために心がけてきたことは何かありますか?
お父さん、お母さんとコミュニケーションをとるようにすごく心がけました。具体的には話をする、聞く。
お子さんももちろんいるんだけれど、サポート後に例えば「今悩んでること何かありますか」とこちらから声をかける。お父さんにも仕事がおやすみで家にいる時に、私から声をかけるということをしてきました。
ベビーシッターは、家庭に入る仕事なのでお母さん、お父さん、おじいちゃんおばあちゃんとしっかりコミュニケーションをとって信頼を築いていくのが大事だなと思います。
家庭で沐浴を教えることもあります
ー得意なサポート内容やサポートが多い年齢を教えてもらえますか。
サポート対象年齢が、0才0ヶ月からということもあり、0才さんのサポートが多いです。退院直後、生後4日とかもありました。母乳からミルクに移行していきたいのに、なかなか飲んでくれない。なかなか寝てくれないから、寝かしつけるなど。
飲ませる、寝かせるが得意ですかね。それも、自分自身が園勤務の時に0歳児を見ていたからだったり、子育て経験も生かされているのだと思います。
ー0才のサポートが多いとのことですが、年齢が上の子は何才くらいになりますか?
乳児さん以上の子は、兄弟ケースでいる場合がほとんどです。この前は一番上が9才で3人の兄弟を見るというサポートがありました。
福岡に0才をみれるベビーシッターが少ないというのもあるかもしれないですが、私自身も乳児さんの保育が好きです。沐浴も大好きで、よくしますね。実際ご家庭に行って、母親学級じゃないですけど、お父さんお母さんに沐浴の仕方をレクチャーすることもあります。
どんなときも否定からはいらない。ご家庭の背景までみてサポートする
ーベビーシッターをする上での、ポリシーがあれば聞かせてください。
今まで夜のサポートは入れてなくて、夜のサポートを入れるようになった時に主人から「なんで自分の家庭もあるのに、夜のサポートにいくんだ」言われたことがあります。
その時私は、「子育てに朝も昼も夜も関係ないからよ」と迷いなく答えたんです。すると主人も「あ!そっか。そうだよな」とわかってくれて。
子育てって、朝は大変で夜は楽ちんってわけでもないじゃないですか、夜泣きの対応やミルク飲まなかったり、保育園から帰ってきたドタバタがある。子育てって休みなくあるわけだから「子育てに、朝も昼も夜も関係ないからサポートに行くのよ」と主人に言っています。
なので、サポートポリシーは、どんなサポートにも理由があり背景があるので「どんな時も否定から入らない。ご家庭の背景まで見てサポートをする」否定から入らないは、絶対にしています。
「子育てはみんなでするんだよ」が当たり前の世の中に
ーこれから「こんなベビーシッターになりたい」など、今後思い描いていることはありますか?
実は幼稚園教諭の免許を持っているのですが、更新していないのです。(現在幼稚園から高校までの教諭免許は10年ごとの更新が必要。免許更新のために、決められた講習を受けなければならない)
幼稚園免許を更新していないのは、私にとって今後ベビーシッターを続ける覚悟でもあるのです。実は「また保育園に戻らないの?」とよく言われるんです。
けれど、私は今の子育て状況や世の中が変わらない限りベビーシッターを続けていきます。やっぱり、お父さんお母さん子どもによりそって、よりそってサポートしていくのが好きなんです。
ある時「私ワンオペ育児がんばってます」と明るくいうお母さんをみて、顔は笑ってるけれどすごく悲しそうに、寂しそうに感じたことがあったんです。
ワンオペ育児なんて誰だって良いと思っているわけがないと思うんです。けれど今の世の中には子育てを「1人でがんばってる」「つらいけどがんばってえらい」を美徳にする風潮がありますよね。
私がベビーシッターとして、おうかがいすることで「子育てはみんなでするんだよ」というのが当たりまえになってほしいと願っています。
エピローグ
あゆさんのインスタより「一旦ママというタスキをはずしてみる」をご紹介します。
「頑張る余裕がないんです。でも手も抜きたくないんです」サポートに伺ったお母さんの言葉。上手に手を抜きましょうと言われるけど、手の抜き方がわからなくなっていたり、そもそも手をぬくという言葉自体に罪悪感を感じてしまったり。子育てのやり方考え方は人それぞれ。。。
「子どもののために」という無償の愛。愛情を注ぐためにはどれだけ自分の頑張るを選択しないといけないのか。。。愛情を注ぐのは、お母さんじゃないといけない?愛情を注ぐのは家族じゃないといけない?
お母さんというタスキを一旦はずし、自分が信頼できる人にバトンタッチ。例えば私にタスキを渡してくれたとして、お母さんでも、妻でもない「わたし」の為に充電する。充電が済み、また次のスタートラインで待っていてもらえたら私はしっかりそのタスキをお母さんに渡します。
子育てって区切りはあるけど終わりはない。だからこそ1人で走るのではなくリレー形式でいきませんか?
あゆさんのインスタグラムよりhttps://www.instagram.com/p/CNQ0X3HJ3z3/?utm_medium=copy_link
自分が保育園に通っていた時に、先生が話を聞いてくれた嬉しさが忘れられず、ずっと大切にしてきたあゆさん。幼稚園免許を更新しないというところからも、ベビーシッターにかける思いの強さが感じられます。子育てに疲れた福岡のママさん一度あゆさんのインスタをのぞいてみてくださいね。
あゆさんのインスタはこちら(クリックするとインスタグラムへとびます)
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最後までお読みいただきありがとうございました